どちらがオールスター?

 先日、鹿島アントラーズ本田泰人引退試合カシマスタジアムで行われた。残念ながら、私は観戦できなかったが、各媒体、ブログ、BBS等を観るかぎり、大好評だったようだ。「鹿島アントラーズ1993vsヴェルディ1993」と銘打たれたこの試合、闘将ラモス率いるヴェルディが、本田泰人への「リスペクト」を最大限に示すべく、「ガチ」に勝ちにきたことが大いに盛り上げたようだ。本田泰人は、(第一)ボランチとして、アントラーズの背骨を支え、しばしば「スッポンマーク」でエースキラーとして、相手のキープレイヤーを苦しめた。丁度、今週の「サッカーダイジェスト」誌で、現役・歴代における名プレイヤー列伝的な企画でも登場しているので、機会があればご一読されたい。
 そんなヴェルディに対して、鹿島アントラーズは徹底的に「大人げなく」対抗。後半は柳沢敦小笠原満男本山雅志曽ヶ端準を投入して逆転勝利をおさめる。それ以前に、ラモス達を鹿サポはブーイングで迎えたそうな。そんなブーイングを、ラモス達は喜んだそうだ。これでこそ、アントラーズヴェルディなんだから。
 翻って、先週末のオールスターの「ぬるさ」加減は何なのか?僕はカズもゴンもすごい選手だし、敬意も評するが、他にもいるだろ?って感じ。フォワードに限ってみても、ワシントンやヨンセンや、ウェズレイや、マグノや...「外国人プレイヤーばかりやん?」と言われるかもしれないが、それでも良いんだよ。でなきゃ、「海外組」が抜けた日本人選手チームって、日本代表より地味なんだから。否、地味なら地味で良いんだ。藤田俊哉や、坂本隊長こと、坂本將貴のように、その持ち味を発揮してくればうならざるを得ないよ。
 なのに、選手もメディアも、カズとゴンを持ち上げ過ぎというか、彼らに遠慮しすぎ、というか、それは「リスペクト」じゃないよ。逆に「若造」格の内田篤人はプレッシングの格好の餌食だった。誰かフォローに行ってあげろよ。サイドで詰まったら、どうしようもないだろ?そんなんだったら、本田の引退試合に出て、相馬直樹と両翼どうしで楽しみ、かつ学んでほしかったよ。ピクシーことトイコビッチと中村俊輔の一騎打ちとか懐かしいよ。オールスターって、「あうん」の呼吸でね、最初は和やかに始まり、テクを披露しては、最後は本気で勝利を求める。いつもは別のチームどうしのスーパースター達が集中力を発揮したときに、胸のすくようなコンビプレーが観られたりするんだ。
 その点、大久保嘉人のゴールは気持ちよかった。丁度、神戸のU-22の練習試合で、彼のキレキレっぷりを観てきたところだし。あと、やっぱ小野伸二はうまい。フリーにさせたら何でもやりやがる。フランサ水野晃樹たちもだ...あ、水野晃樹にはもっと切れ込んで行ってほしかった。
 オールスターって、スケジュール的には選手にもキツかろう...。とは言え、「オールスターだから観てみようか?」というふだんは日本代表くらいしか観てない方々が観たら、Jリーグを誤解するぞ?
 はっきりいって、あんなオールスターより、ふだんのJリーグの方がよっぽど面白い!...試合によるかもしれないが...。