何はともあれ勝ち点3
サッカーのワールドカップ（Ｗ杯）南アフリカ大会アジア最終予選でＡ組の日本は６日、マナマでバーレーンを３対２で下した。「試合終了直前までは完勝、ラスト数分は最悪」という、皆さんの評はその通りだと思う...では、あくまで僕は僕なりに。
予選は結果がすべて。でも、結果だけを観て語るのは楽な話でして。
僕は、先日のウルグアイ戦や、Jリーグでの闘いっぷりをみるに、このアウェイでのバーレーン戦、引き分けの勝ち点1でもOKと思っていた。切り口としては、ウルグアイ戦での「やられっぷり」から、どのくらい修正してくるか？チームの要となる中澤佑二をはじめ、主力がコンディションを落としている中、どのような布陣をしくか？ドイツW杯で失敗し、北京オリンピックでもうまくいかなかったフィジカル・コンディションの調整をどこまで徹底できるか？だった。
蓋を開けてみれば、布陣は少々意外。稲本潤一の出場を予測したが、まさかのベンチ外。そしてコンディションは、当地のバーレーンを上回る仕上がりの良さで、キックオフ直後から強烈なプレッシャーディフェンスを相手にしかけた。ふつう、アウェイとなれば、「退いて...」まではいかなくとも慎重になりそうなものを、敵地の最終予選の緒戦で相手に襲いかかったのは恐れ入った。さしものマチャラ監督も驚いただろう。それくらい、この日の日本は走った。が、そのペースでラストまでもつのか不安になった。
その攻勢が臨界点に達し、息切れしてきそうなときに奪った中村俊輔のフリーキックは素晴らしかった！あの一点がなければ、この日の猛攻は「無謀」に終わる可能性があった。
それにしても、なぜかセットプレーによる得点って、軽く観られるよね？とかく「流れの中で云々」と。一点は一点、結果がすべての予選では大事なことです。それに、「流れの中で点を獲れる」力があるからこそ、相手が危ないところでファウルをせざるを得ないディフェンスをやってしまうんだから、結局セットプレーは「流れの中」なんですよ（鹿島アントラーズにおいては「セットプレー」文字通り「流れの中」です。リスタート、速いよ！）。それと、この日の審判団は、シンガポールだったんだけど、日本びいきというか、少なくともバーレーンよりではなかった。別の言い方をすると、少々（バスケ流に言えば）「笛が軽い」。割とファウルをとってました。日本の攻勢が続いた分、日本に有利な判定が出たということになるんでしょうけどね。
ボランチに、遠藤 保仁と長谷部誠を並べたところからも、この試合は前掛かりで「決める」狙いだったということが想像できる。
さて、無得点に終わったFW陣はまたぞろ批判されてますが、よくやってたと思いますよ。田中達也、玉田圭司に、松井大輔も含めたアタッカー陣が相手DF陣をひきずりまわし、足を止めさせたと思う。この日、阿部勇樹を左に据えたのは、内田篤人を前目に上げての3.5バック的な狙いだったかもしれない。その内田だが、序盤はともかく、いつもほどは上がっていないと思う。僕は「前」で攻撃が成立しているのなら、DFの攻撃参加は必要ないと思っている（その分、守備ではスタミナ切れを無くしてほしかったけど）し、無理に上がらなくて良かったと思う（ただし、内田篤人のようなサイドバックを「使う」には、前のスペースへポ〜ンと蹴り出せる小笠原満男や柏木陽介、現代表では中村憲剛が適任だと思う。これはまた別の話だけど）。
まるで闘志を感じられなかったウルグアイ戦からの、この大転換。岡田監督の手腕と勇気、選手たちの矜持を評価していいと思う。
が、まるでウルグアイ戦を思い起こさせてくれるような、失点をたたみかける展開は、やはりいただけない...。
次は、松井大輔が出場停止。金崎夢生あたりを呼んでほしいけど。てか、ついにシャムスカ、トリニータ大分がナビスコカップでファイナル進出！これは楽しみ！
でもほんとの楽しみはもちろん、次節、鹿島アントラーズ対川崎フロンターレです。
あと、「スーパーサッカー」で、「ハート、ハート！」と繰り返すラモス瑠偉に、金田喜稔が技術の大切さ、否、技術とハートが共に大切なことを説いていた。もっとも、ラモスにとって「うまい」ことは当たり前なのだろう。それにしても、釜本茂雄...。僕が大阪在住なのにガンバ大阪のサポーターにならなかったのは、彼の率いるチームに魅力を感じなかった（魅力的な選手はいたけど）からだ。いまどきストライカーはディフェンスしなくていいって...こんな人が協会にいたんだよなぁ...。中堅、強豪国のセンターバックには技術力があり、まったくのフリーにさせたらセンターラインより向こう側からでも、ゴール前に危険なボールを放り込んでくる時代だぜ？冗談まじりとは言え、ラモスは「釜本総監督、ラモス監督、金田コーチ、山口素弘コーチ」で2014年W杯を、って言ってたけど、それは勘弁してほしい。僕の願いは...中田英寿日本サッカー協会会長、山口素弘Jリーグチェアマン、名波浩日本代表監督ですが。鹿島勢はアントラーズに囲い込みで（苦笑）。
