相手だって必死です

 鹿島アントラーズの強さの理由のひとつに、たとえ相手がいわゆる「格下」とみられていようが、調子を崩していようが、決してその相手をなめることなく、全力をあげて挑むところがあると思う。なぜなら、Jリーグ創設当初、アントラーズ自体がなめられるような...と言うか、決して日本サッカー界のメインストリームにいるチームとは言えない立場にあり、それでも死力を尽くして、あがきにあがいて、勝利をもぎとってきたチームそのものだからではないか、と思う。

 先日発売された、通称『鹿本』こと、週刊サッカーマガジン特別編集『鹿島アントラーズ★☆最強11冠の記憶』で、アントラーズを見守り続けている日本経済新聞社武智幸徳氏のコラムの締めの言葉には、おおいにうなずくところがあったので、以下に引用させていただく。

「昨季のリーグ終盤、9人で浦和に勝った試合はヴェルディに牙を剥いた『昔』を思い出した。模範生でなくても、バブリーな選手がいなくてもいい、選手が流出するのもやむを得ない。が、あの何か大きなものに立ち向かう反骨の牙だけは、鹿島のアイデンティティーとして絶対に無くしてはいけないと思う」