パーフェクト・ゴール

 野沢拓也がリズムを作り、柳沢敦が決め、マルキーニョスを始めとする全員の献身的かつ泥臭い守備で守り切り、最後は伝家の宝刀、のらりくらりの時間稼ぎで、我らが鹿島アントラーズが、アウェイの地で清水エスパルスから勝ち点3をもぎ取った。
 1点目は前半32分。左サイドのダニーロからパスを受けた野沢が個人技で単独中央突破を図り、相手守備陣の意識が集中した瞬間にヤナギが相手DFの死角にまわり込み、野沢からのパスが若干浮いたところをお腹(?)でトラップして、相手ゴールキーパーが飛びだしてくるところを冷静に、かつ、思い切り蹴り込んだ。
 2点目は、後半開始直後、スローインから、本山雅志かなぁ?...が、右サイドに流れるマルキーニョスにフィード。マルキが、ニアの野沢を越えて、大外のヤナギに絶妙のパスを放り込む。相手DFの背後から、完璧なヘディング。この日、サイドを突いて相手DFをひきつけ、大きく逆サイドに振って...という攻撃は、実は清水こそが機会を多くつくり、「あわや」という場面もたびたびあった。曽ヶ端準のファインセーブでこらえつづけていたわけだ。それを見事にお返ししたヤナギのゴール、清水の猛攻の中、数少ない機会を活かした見事な決定力だった。