短期集中連載『ラジオと僕』 その六   久川綾 編 その三

 前回は、僕と久川 綾さんとの最初の出会いと、もっとも最近お会いできたことについて述べさせていただきました。もちろん、その間にもライブやらイベントやらがあったわけですが、「直接」御会いできた機が二度ありました(都合、4回会ったことがあるわけです)。
 二度目の出会いは、1998年夏、某ホテル主催のトークイベントです。「サマースクール’98〜角界で活躍する女性たちの講演会」というお題で、何人かの講師の方がいらしたのですが、主催者、ちゃんと告知やってたか?蓋を開けてみれば、参加者のほとんどが綾さんファン(苦笑)。で、ホテルの大広間だから、すぐ傍で観られてラッキー。綾さんがひととおり語ったあと、質議応答となったのですが、僕は最後に指名していただきました。こんな時、ぼくは計算を働かせるほうなので、「シメ」になるようにお題にからんで「僕自身、幸運にも自分の趣味を活かせるような職に就いていますが、それでもストレスがたまってしまうことがあります。綾さんも、そう感じるときがあるそうですが、そんな時きなんかに、どうやって前向きにとりくむのですか?」のような質問をさせていただいたのです。すると、綾さんから「あなたのお仕事は?」の問いに、僕は「CDショップの店員です」 すると、綾さん、「あなた...〜君でしょ?」「あ、は、はい!」「でしょう、CDショップの店員と聞いて、ピンときた!」...って、くるか、普通!その時は、番組にそんなにお便りを出していたわけもなく、それどころか一度も採用されたことのないような一介のファンのことをよく憶えているんですね、この方は...その後、綾さんからありがた〜い、お言葉を頂戴するのですが、恥ずかしくてここには書けません。ただ、「この人には一生、頭が上がらねえなぁ...」と痛感させられたのはその時です。

旧日記『つらづら草』より転載