ポイントガードについて vol.2

2002年03月17日

3/16(土)、JBLスーパーリーグ(男子バスケ)のファイナルが、昨年の優勝チームの、いすずとトヨタの間で行われ、先勝していたトヨタが連勝し、今期の優勝に輝きました。いすずと言えば、長年にわたって日本リーグに君臨していたにもかかわらず、母体の企業の事情により、急遽、休部が決まってしまいました。つまり、その試合が、最後のゲームとなったわけです。
 実は、昨年のファイナルも、同じくいすずとトヨタで行われており、残り数分で優勝までこぎつけていたトヨタが経験の無さを露呈し、5点差をひっくり返されてしまったのです。そのトヨタは、昨期、途中から指揮をとった小野ヘッドコーチ以下、一丸となって、リベンジを果たしたわけです。
 迎え撃ついすずには、日本代表をも長らく指揮した老練な小浜監督とともに、日本を代表するPG、佐古選手がいました。ところが、休部が決まったことも影響していたのでしょうか、チームとしてのまとまりに、揺らぎがみてとれました。第二戦でも、レフェリーの判定にストレスを感じた外国人選手をはじめ、コート上で円陣を組もうと手招きしても、他の4人が寄ってこないシーンがありました。トヨタの中軸、オノバン選手が負傷退場したこともあり、最後には再び詰め寄ったのですが、一丸となったトヨタを崩すにはいたりませんでした。
 いすずとしては、有終の美を飾りたかったでしょう。でも、僕は、トヨタに勝ってほしかった。なぜなら、昨年のリベンジという意味だけでなく、「王者」いすずを倒してこそ、次代の「王者」たる資格を得られると思ったからです。いすずが、勝ったまま消えてしまったら、そのままバスケの火も消えそうな気がしたからです。(ここ数年、どれだけのチームが休部に追い込まれたのだろう...)
 実は、小野HCは、日本代表の現役選手時代、小浜監督に育てられたそうです。その小浜監督は、「小野に負けたのならしかたない」と語っておいでだったそうです。果たして、小野HC率いるトヨタに敗れ、小浜監督は、「小野はよいコーチになった」と感慨深げでした。その小浜監督の、閉会式後に行われた、「いすずギガキャッツ」の解散のあいさつから引用します。
 「今日の試合、負けはしましたが、最後までプライドを賭けて戦った選手たちを誉めてやってください。このチームが、他から出てくる(他のスポンサーがチーム全体をひきうけてくれる)かもしれませんし、選手たちがばらばらになって、それぞれのチームに行くことになるかもしれませんが、いすずギガキャッツの灯は消したくありません。みなさん、ご声援をよろしくお願いします。最後に、いままでの、いすず以上に、トヨタがいいチームとしてでてきた。私は、小野監督に、日本一の監督に負けたと思っていますし、小野監督という、いい後継者がでてきたことで、日本のバスケも、これからだと思います。今後も、いすずギガキャッツともども、トヨタ自動車をよろしくお願いします」


旧日記「つらづら草」より転載