祝・ジャパンエナジー優勝!

 バスケットの女子リーグ、WJBLのファイナルが昨日、僕の応援するジャパンエナジーJOMOサンフラワーズの優勝(3勝2敗)をもって終了しました。では、その簡単な経過を...
 長きにわたって日本の女子バスケ界に君臨してきた二強の対決は、いつ観ても、興奮させられる。 
 今期、レギュラーシーズンを全勝で終え、完全優勝を目論むジャパンエナジー。一方、そのエナジーを倒すためだけに1ケ月にわたり猛練習を積んできた、元祖「女王」、シャンソン化粧品
 エナジー有利の下馬評をくつがえす、シャンソンのがむしゃらなプレイは、かつての優雅な「女王」ではなく、勝利に飢えたかのごとくであり、エナジーのポイントゲッター、センターの浜口を徹底マーク、今期、はじめてエナジーに勝利した。
 続く第二戦、シャンソンのホームというべき静岡で、エナジーは総合力で勝利。失いかけていた自信をとりもどしたかに見えた。
 第三戦からは、バスケの聖地、代々木第二体育館にての勝負。ホームで破れたシャンソンは、この一戦に総てをかけて反撃。第四クォーターにて、今回のとっておき、トラップディフェンス(ライン際などに追い込んで、二人がかりで1人を押さえ込む)でエナジーを混乱に陥れて勝利。最終局面で、相手ディフェンスともつれあうように、エナジーは精神的支柱である、大山が負傷、退場。
 エナジーの内海監督は、第四戦で司令塔のポジションで、桜庭を起用。今期、レギュラーであったスピードとドリブル突破が持ち味の川上に対し、桜庭の特徴はパス・ワーク。キャッチからリリースの速さ、その正確さで、シャンソンのディフェンスに罠を張り巡らせる暇もあたえずに揺さぶりつづけ、リードを奪う。大山も負傷をおして出場。点をあげられないまでも、効果的なパスでアシストを連発。とは言え、シャンソンも最後に追い上げを見せ、いよいよ、二勝二敗で最終戦へ。
 エナジーは、ポイントガードを川上にもどして真っ向勝負。両チームとも選手に疲労の色がみえるなか、序盤はシャンソンは一歩リード。が、第二クォーターで、エナジーがアグレッシブなディフェンスを展開、五分に追い付き、流れをたぐりよせはじめる。
 後半、流れを変えるべく、シャンソンは1-3-1という十字形のゾーンディフェンスを敷く。しかし、エナジーは、各コーナーから着実に加点。2-3と体系を変化したゾーンに対し、エナジーはウイングから大山らが3ポイントを決める。シャンソンはついにトラップディフェンスを発動するが、脚力を要するこのディフェンスをつづけるには、シャンソンの選手達は若干つかれており、エナジーは、若干慣れていた。大山があえて中に切れ込んではファウルを誘い、川上がスピードで翻弄し、矢野良子が3ポイントを決め、残り数分を残して20点の大差、勝敗は決した。
 エナジーの内海監督は、勝利を確実にし、かつ、その栄光の瞬間をコート上で味あわせるため、ベテランの5人を送りだす。緒戦は封じ込められながらも、ばん回し、このファイナルのMVPを受賞する日本を代表するセンター、浜口。久しぶりに第一線の場に復帰しながらも、怪我に苦しんだ川崎。苦しいときにはシュートにディフェンスに、チームを救ってきた大山。そして、レギュラーとして、キャプテンとしてチームを引っ張ってきた川上と、川上の控えに甘んじてきた今期だが、このファイナルの流れを引き寄せるパスワークを演出した桜庭。
 むろん、ライバルの優勝を易々として受け入れられないシャンソンは、最後の猛攻をしかけるべく奮闘するも、浜口とは対照的に、序盤は好調だったが4,5戦にわたって得点が伸びなかった永田がファウル・アウト。ベンチで号泣する姿はみるものの胸を打った。ボールを奪うべく網をはるシャンソンのディフェンスをあざ笑うかのように、エナジーのパスがまわり、川崎が3連続得点。最後は桜庭が3Pの文字通りの祝砲を決め、二年連続で栄冠はエナジーに。
 表彰式、中川監督の号令一下、「スマイルを魅せよう」と、シャンソンのメンバーたちも胸を張る。オールジャパンのトーナメントも含め、一度も勝てなかったエナジーを1ケ月の走り込みを中心(実は、エナジーのチームカラーこそ、走り回って相手を粉砕するもの)にした練習でスタミナをつけ、エナジーを追い込んだ彼女たち...やはり来期もこの二強は健在であろう。

旧日記『つらづら草』より転載