この冬、たいへんお世話になった叔父の奥様が亡くなった。
僕が落ち着いたら、お見舞いに行かせていただくと、言わせていただいた方だった。
深夜バスのチケットは売り切れで、朝一の飛行機をおさえた。
その報せを聞かせてくれたとき、叔父は「お前は忙しいだろうから、来なくていい」といってくれた。
「行かせてください」と僕は応えた。
でも、いまにして思う、僕が「いろいろ」思い出さないように、気をつかってくれたのでは、と。
まだまだ真っ暗な時間に電車に乗る。空港へ向かい駅を一つ過ぎる毎に、少しずつ空が青くなり、街の形が見えてくる。
いろんなことがある。
その上で…この街は、
この世界は、美しいと思う。