たとえ面識がなかったとしても...

 中西悠子選手(バタフライ女子)のファンになっていたんだろう、と僕は思う。
 「いっつも三位ばかりだから、違った色のメダルを!」と、常々言ってた中西選手。
 今大会、惜しくも五位に終わったけれど、試合後のインタビューで「がんばりました!」ということばが素直に出てくるには、どれだけ努力をしてきたんだろうと、思わずにはいられない。
 基本、後半追い上げ型の彼女の泳ぎは、観ていて熱くさせるものがある。そして、いつも全力だった。
 今回、彼女は「オリンピックを楽しみたい」とも言っていた。それは決して軽い意味ではなく、オリンピックに出られる幸せ、それを支えてくれた人たちへの感謝の意味だと思う。

 北島康介選手にも、その想いが感じられた。レーザーレーサーの問題など、翻弄されることもあったでしょう。それに、どんどん膨らむ周囲の期待と、「現実」の狭間に苦しむこともあったでしょう。

 彼らのパフォーマンスを観られるのは、もちろんメディアのみなさんのおかげだけど、プレーそのものや、選手の素朴な声を伝えてくれるだけでいいと思うのです。余計な装飾は要らない。「決め」フレーズもいらない。「やり切った感」を伝えてほしい。

...だからこそ、選手たちに「やり切った」想いをさせられない反町体制や、協会には...。