キリンチャレンジカップ2008 岡田JAPAN vs ビエルサ・チリ


いや〜これが「接近・展開・連続」か〜と魅せてもらいましたね…チリに…。

岡田JAPANの緒戦としては、良い相手だったのでは?若手主体とは言え、なればこそモチベーション高いし、(韓国戦も含めた東アジアツアーの一貫として)しっかり福島Jヴィレッジで合宿してたというし、さすがビエルサ監督、日本の布陣にアジャストしてくるし…。(ただちょっとラフすぎるぞ…)

これでぬるい気持ちは吹き飛んだことでしょう。いろんな意味で。

試合後の内田篤人のコメントをアレンジすれば、「チームとしては不甲斐ないです。もっとやれたのでは、と。(0-0という結果を)どう評価するべきか…。良かったと言ってもらえるとしたら、監督就任後の緒戦であり、選手のコンディションが整っていないから、ということを考えてくれてるからでしょう」ってな感じかな?

僕がまず、岡田監督に期待していたのは、選手、チームのコンディションの見極め。なのに、あの状態の高原直泰を使ったことにがっかり。僕はドイツW杯惨敗の一因がコンディショニングの失敗と思っているので、そこはシビアにいってほしかった。


つぎに、ベースとなるフォーメーションについて。フォーメーション・スポーツなればこそ、本来は流動的なもんだけど、臨機応変に動くことが苦手な日本人には結構重要かもしれないので触れときます。

今回採用されたのは、一応4-1-3-2。岡田武史監督が時に口にしていた「2バック」って、「例え」だと思ってたけど、本気だったようで。

試合後に、サイドバックの上がりが遅いと漏らしていたようだが、あれだけハーフ陣がゴタゴタし、かつピッチの幅を使って攻撃してくる相手に、そうそうサイドバックは上がれません!

そりゃ内田篤人も困るって…中澤佑二のカバーは心強かったけど。
僕が先発予想に内田篤人をあげたのは、岡田監督が「新しさ」を印象づけるためと思ったけど、本気で2バックを考えたからこそ、篤人を使ったふしがある。
それゆえ、内田篤人>加地亮になり、コンディションがよければ水野晃樹を使っていたかもしれない。

その2バックの上にワンボランチってのは、よっぽど「格下」相手に前の人数を増やしたいってことなんでしょうが…。(相手に力があるとてんやわんやです)

まずは、もいっぺんハーフ陣の整理から始めましょう…。本来、日本のストロングポイントになるべきところなんだから。

個人としては中村憲剛はよくやっていたと思う。でもまわりがついていけなければ…ね。新聞なんかでは遠藤保仁の評価が高いけど、あれだけスコスコ抜かれると厳しい。

また、「3」がごちゃごちゃしてると後ろも上がりにくいですよ。
で、あえて、ごちゃごちゃさせといて、逆サイドっても、そもそもロングフィード得意な選手見当たらないし、チリは律儀に逆サイドもマークしてたしね。

その中盤がグダグダだと、たたでさえ得点力のないフォワードによいボールを供給できない。

今回も大久保嘉人が何回か外した(他のフォワードは満足な機会すら作れなかった)が、大久保嘉人に限らず、日本のフォワードに決定力が低いことは前からわかっており、そのためにはシュート決定率の「分母」となる機会を増やすしかないからだ。だから中盤の再構成を急ぎ、その余裕をもってして、いろいろなフォワードも試してほしい。
例えば…って、すぐには出てこないが、サッカー仲間で話題になっている選手に大島秀夫がいる。お恥ずかしながら昨シーズン、僕はテレビですら(試合を通して)観たことがなかったが、サッカー雑誌でデータを見ると、たしかに代表に呼んでもおかしくない。
また、山瀬功治とのコンビネーションも期待できよう。

そのように…いろいろなフォワードを試して、それでも駄目だったら?

あきらめよう…勝つことをあきらめるわけではかいが、フォワードが点をとらねば勝てない、という発想を…。

今回、大久保嘉人が裏を狙うことで相手DFの意識を下げさせ、結果、中盤にも余裕が生まれた。

前線と中盤だけではなく、サイドバックのオーバーラップも…そもそも守備と攻撃は相互に関連するもので。

点がとれなくとも、そんな動きでチームを助けることはできる。

最終的にどうしてもフォワードにピタッと来る選手がいなければ…いっそのことシュート力をあきらめるなら…一人いるっちゃいるんだが、シュート以外は完璧な「ポイント・フォワード」(僕の造語ってかバスケ用語の流用というか誤用)が…。

ただ、あまりにも成績が悪いと「急に僕がこんなこと」言っても説得力が無いので、その選手には今季、それなりに結果を残してほしいのだが、鹿島アントラーズ戦以外で。

話はもどる。無理にワンボランチ+2バックでいかなくとも、ある程度はアジアで勝てますって。逆に、アジアの強豪相手にワンボランチ+2バックではボコられますって。

4バックに異存はない(ってか、日本がそれなりに守備できるのは既知だし、ましてや中澤佑二がいるんだし)ので、中盤を整理しましょうよ…。

小笠原満男レジスタに、左右CHに今野泰幸稲本潤一で試してください…。

でトップ下には本山雅志で2トップは前述のように公開オーディションを続けていきましょう。(あ、駒野友一を右で使うために左サイドバックもオーディションを。安田理大、がんばれ〜!あとセンターは中澤佑二の相方にコンディションがもどれば中田浩二を試してほしい)

幸運にも1トップがつとまる選手が見つかれば、左右に松井大輔水野晃樹でいきましょうよ…。

なお、川渕キャプテンが客入りにいろいろ言ってるが、極寒の夜中(土曜日なら昼間でいいじゃん!それともテレビ放送のため?)のテストマッチであれだけお客様が入ればたいしたものだと思うが…

最後に。満男と本山を同時に代表に送り出して鹿島アントラーズは大丈夫か、という問題がある。

はっきり言って…

やばい。

とくに今年のスケジュールはたいへんだ。


でもね、日本においてサッカーってマイナーな存在なんですよ!とくに関西在住でスポーツ新聞読んでるとよくわかる。ワールドカップ逃したら、あっというまに萎んでしまいますよ、サッカーにかかわるなにもかにもが。逆に言えば、Jのチームがまだまだ地域に根付いていないってこと。

と同時に、みなさんワールドカップに出場することが簡単だと、考えるようになってません?日本が必死なら、他国だって死に物狂いですよ。

そして、ワールドカップ逃すと鹿島アントラーズにだって、何かしらの影響があるでしょう…。

だから…僕にとって、鹿島アントラーズ>日本代表だけど、鹿島アントラーズ=ワールドカップ出場なんです。
その上で、ワールドカップ常連となるくらいになって、そこから上が見えてくると思います。
でも、「日本代表とJリーグの上位チームのどちらが強い?」と言った言葉がサッカーファンの口から出るようではまだまだ。(普通に考えてクラブチームが圧勝です。でなきゃ毎日のようにコンビネーションを研きあげる練習って何?)

でも、指揮官や選手が優勝を口にすることは悪いことじゃない。負けるつもりで勝負に挑めるわけないのだから。