決戦

いよいよ明日は我らが鹿島アントラーズにとって、決戦の日。僕が「ケンタルス」と呼ぶ長谷川健太監督率いる清水エスパルスは強い。そして大きく崩れることは考えにくい。
だが、引き分けはない。勝ちに行くだけの試合。万全の準備をし、全力を尽くすのみ。
新井場徹に変わって出場する石神直哉小笠原満男なり、本山雅志がフォローするだろう。青木剛フェルナンジーニョにつくか?両翼を攻められても、中で跳ね返そう。田代有三がどのくらい深さを作れるかも鍵だ。その後ろで、あるいは裏で、野沢拓也マルキーニョスが暴れられるから。おそらく得点シーンは、内田篤人の攻めあがりからもたらされるだろう。
先の浦和レッズ戦で、アントラーズはエンターテイメント性とリアリズムをともに持ち合わせるチームであることを披露できた。最後の一戦は、リアリズムに徹して優勝を獲得する!(とは言えケンタルスの守備網から点とるにはエンターテイメント性あるくらいの崩しがないと難しい)

ところで、昨日、日本人なら岡田武史氏を推す旨の発言をしたが、もう少し補足をば。
実は、大前提として、オシムとの継続性がそんなにあるとは思えない。どちらかと言えば、オシムに比べたらジーコに近いかもしれませんが。
僕はオシムの目指したジェフのサッカーに魅力を感じたし、オシムに快復してもらいたいと思うけど、体調面から続投はあり得ない。昨夜も述べたが、「いざ」というべきのために反町康治氏を据えたはずだけれど、ここまで五輪予選で苦しむと…。
また、三次予選で楽なグループに決ったからといって、「真剣勝負」の機会を「代行監督」のもと曖昧に過ごすのももったいないような。
…僕はオシムに、ではなく、オシム・ジャパンに停滞を感じていたから、ここで変化が来ることは悪いことではないとも思っている。もちろんオシムの遺産は貴重。だが「考えながら走る」共通理解をピッチ上で具現化するには、代表の練習時間は短かすぎる。それこそ本大会前に集中的に合宿できれば良いのだろうが、いまはそこ(予選突破)まで行けるかどうかも難しいように思える。
オシム・ジャパンを観ていて思ったことは、中盤で「ため」を作れる選手がいずに、劣勢時、あるいは膠着した中でリズムを変えられない、ということ。もちろん、中村憲剛には期待しているし、オシムもそうであっただろう。だが劣勢時には防波堤となって頑強なまでに抵抗し、キープ力を駆使して時間をコントロールし、そのパスや機動力でピッチを支配する選手が必要-かつての中田英寿や、先の浦和戦で魅せた小笠原満男のように。もちろん、ケンゴだって川崎フロンターレでならばできる。だが、それをA代表で敢行するにはさらに強烈なるエゴが必要だ。

が、それすらも、監督が交代するとなれば細かいポイントになる。結局は日本代表としてどんなサッカーしたいの?ってことになるわけだし。

話はタイムマシンに乗せちゃうが、フランス・ワールドカップのとき「日本は世界相手に組織的守備はできるが、攻撃に難あり」という総括で、個々のレベルアップを…とか言ってたと思うんだよね。その回答をどう返してくれるか?そこに注目したい。

岡田武史氏の持論は「行きつくところは一対一」。その岡田武史氏が、日本人が劣ると言われる一対一をカバーするための方策(それこそオシムのような)をもっているのか?逆に、日本人でも一対一でも何とかする、何とかしようとする選手を選び、その上でコンビネーションを図るのか?興味深いところだ。
ちなみに僕の好きなサッカーとは…?基本的に全員守備&全員攻撃?試合終了まで集中力をとぎらせない?ポゼッションとロングボール、カウンターなど状況に応じて使い分けられる。それを円滑にするため、ボールを「もらう」側もキチンと気を効かせていること?行くべきときか、待つべきか、体力温存をはかるか、勝ちにいくか、引き分けをねらうか、時間稼ぎをするか等、監督の指示が届かなくとも選手たち自身で試合の流れを感じ、コントロールできること。(また、たとえば耐える時間帯では、必要以上にラインを下げすぎず、とくにボランチは最終ラインに吸収されずに前で踏ん張り、壁ではなくブロックを形成する)?ゴール前で落ち着けるアタッカーを擁する。…言えばきりがないんだけど…鹿島アントラーズ観てるとね…それくらいはね…クラブ・チームと単純比較できんけど…え??は野沢拓也ってことで…瘀

また、岡田武史氏になると、オシムの時以上に日本のメディアは困るかもしれませんね。あの方はリップサービスやんないよ、たぶん。
僕が岡田武史氏の一番好きなところは、しがらみのないリーガ・エスパニョーラの解説の時とか。そこでは奔放でめちゃくちゃ面白いんですけどね。Jリーグの解説になると自重モードかかるくらいだから…
繰り返しになるが、岡田武史の特徴の一つはリアリストに徹しきれること。(とくに予選において)ナショナル・チームにもとめられるのは、結果。その点、ジーコはリアリストに徹しきれなかったと思う。
ただ、岡田武史氏本決まりにせよ、どういう契約かは明らかにすべきでしょう。緊急時ということで「代行」の意味合いをこめ、短期間のうちにいくつかのノルマを課し、監督再変更の含みを(ある意味当然だが)しっかりと残しているか?
でも単なる代理で〜すじゃ岡田武史氏もうけないだろうし…ひょっとして本大会までの契約結んでるかも…

あと、前のドイツ・ワールドカップの反省をたいしてやってないので心配するのが、フィジカル面というか、コンディション作りというか、優秀で監督にも協会にも選手にもキッパリ意見の言えるフィジコ、ドクターを選んでほしい。

…あと…すいません…ネットから離れてて情報からも疎いのですが、名波浩、来期も現役ですよね?万が一、ってことがあるのなら、彼をスタッフに入れてほしい…。彼の経験、知識、人望…名波に限らないが、世界と本気で戦った世代が指導者になっていくこれからが、「Jリーグ」の真価がとわれるときだ。