シンディ・ローパーの『Time after Time』をエブリシング・バット・ザ・ガール(http://www.ebtg.com/)がカバーしたバーションが大好きです。「アコースティック」というアルバムに収録されてます。このアルバムを僕に紹介してくださったDJさんはお元気かな?僕が高校の時からU2を聴くようになったのも、その方のおかげ。そんな彼女は「洋楽通」で通っていたのだけれども、実は佐野元春ファンでね、それで僕と意気投合したわけなんです。
 そして今日、大阪・フェスティバル・ホールでの、佐野元春ライブに行ってきました。お恥ずかしながら、予算の都合で行くか行くまいか、ギリギリまで悩んだのだけれど、行って良かったです。最高でした。前回のツアーで感じたことをあらためて実感。佐野さんは、しぶい「大御所エンターテイナー」ではなく、どんなに不格好でも「ロックンローラ−」を貫いて行く、そんな生き様を見せつけてくれました。詳しくは、(多分)後日アップします。
 さて、佐野さんのライブを午後5時から8時まで、たっぷり三時間堪能した後に心斎橋に移動。最近僕がはまってるバンドのささやかなライブがありまして、ライブのはしごとなりました。
 が...がっかりしました。
 2ステージ目の1曲目に、「津軽海峡冬景色」をワンコーラス聴かされました。正直言って、僕は演歌を好きではない。そして、そのバンドに演歌をもとめちゃいない。そのバンドのボーカルさんが、演歌を聴いて育ったとは聞いていました。美空ひばりさんが大好きだったことも知っています。もっとも、ひばりさんは演歌歌手というより、スーパーな、オールラウンダーですが。
 なぜ僕が演歌を好きではないかと言いますと...否、好きな理由がない、というべきか。あ、演歌を歌う方が嫌い、ということは決してないですよ。たとえば、天童よしみさんはスゴイと思うし、あと島津亜矢さんとか。個性的なところでは、八代亜紀さん。もっとも、この方たちは、演歌以外を歌ってもすごいけど。
 だから、演歌を聞くために金を払ったわけじゃない。たった(?)ドリンク付きで1200円だとしてもね。そして、話をもどすと、僕はそのバンドに演歌を求めてきたわけではない。逆に、バンドのメンバーは、僕のようなオーディエンスが演歌を求めているとでも思っているのだろうか?...ま、本心かどうかは知らないが、拍手を送った人がいたわけだから、そのバンドのファンの中で演歌が苦手なのは僕くらい、という考え方が、成り立たなくはない。
 演歌の怖いところは、一聴、感情を込めて歌っている、と感じやすすぎるところだ。聞き手からも、歌い手側からも。それが悪い方向に転ぶと、ぶっちゃけ、ワンパターンに陥りやすい、ということだ。もちろん、歌い込んでる方々は別ですよ。今回のように、デビューを夢見て方向性を模索し、何かしらを築き上げようとしているバンドが余興(?)のようにステージで披露することに疑問を感じる、ということです。たしか、THE BANDのメンバーが、ライブを学校に例えたことがあったと思う。そんな貴重な場で、披露するようなパフォーマンスだったのだろうか?(ってくらい、中途半端でした)
 この2ステージ目のラストに英語の曲(カバーかオリジナルなのかわかりません)が披露されたが、これまた、ものすんごい上っ面だけのパフォーマンスのように響いた。今までも、何度となくこのバンドの英語のパフォーマンスはしっかり届いてたのだけど、僕の胸に。でもひょっとすると、それらの歌が僕の知ってる歌、というか、僕の好きな曲のカバーであり、その歌を知っていたからこそ響いていたのかもしれない。
 帰り際、ギターの方が声をかけてくださった。この方は演奏しながらも、よくまわりの気配を感じる方なので、僕がノってないことに気づいていたのかもしれない。「僕、好きじゃないんですよ、演歌」と告げると、「あ、ああ」となんか申し訳なさそうな声が返ってきたが、僕の方もなんか気まずくて、そそくさとその場を辞して帰途につきました。
 これは決して皮肉でもなんでもなくね、そのバンドが何かを表現するときに「演歌」というフォーマットが有効と感じているのならば、とことん追求してほしい。そこまでやってくれるのなら、ジャンルを超えて、「歌」そのものとして響くはずなのだから。繰り返しになるけれど、何かしら、クリエイティブなことにチャレンジするのなら、安易に演歌に頼ることは止めたほうが良いと思う。ある演歌歌手のコンサートを(なぜか)かいつまんで拝見したことがあるのだけれど、セットリストの中にけっこうポップスを混ぜてたよ。ひょっとすると、演歌だけじゃもたせられないんじゃない、二時間とか。
 それに...ときどき考えるけど、演歌って、巷で言われるほど「日本の心」っていうほど根ざしてないんじゃないのかな?民謡はね、たしかに暮らしの中にあったと思う。でも、いま風の、いわば「歌謡演歌」って、どうなんだろ?
じゃ、ロックやポップスはどうなの?と言われると思うが、僕個人の実体験として、ロックやポップスに接してきたわけで、僕にとっては間違いなくリアルなわけ。逆に言えば、僕が演歌を好きじゃないのは、単に演歌を聴いてないだけかも(苦笑)。

お耳なおし。
最近僕がはまったアルバムを紹介させてください。シビレました。
ジェイムス・ブラント『バック・トウ・ベッドラム』(http://wmg.jp/artist/jamesblunt/WPCR000012193.html)