『ブラックジャックによろしく』

 昨年、日本の漫画界でもっとも話題となった、講談社の「モーニング」誌に連載されている『ブラックジャックによろしく』の単行本を、いまさらながら既刊分の4册、一気に読んだ。
 日本には病院が数あれど、夜間は経験値の低く、過酷な労働環境を強いられた研修医が詰めているわけで、満足な医療活動は期待できないから、夜に事故に遭うと悲惨であり、死にたくなければ夜に車に乗るな、というような件があった。 
 一方、医学部に進んだ僕の友人が教えてくれたのだが、ある外科の教授が、日本の道路・交通行政に不満を述べておられたとのことだった。飲酒運転や速度違反など、自業自得とも言える事故を引き起こしては自らを傷つけたケガ人を、全力で救い...時には、救えずに、眼前で死を観ることになる。運転者だけではない。それに巻き込まれる人たちからすれば、「車は凶器」という自覚をいつも肝に命じてほしい。
 近頃、罰金など、道交法の罰則が強化され、それにともない違反も減ったという。罰則が強化されたから守る、という発想も情けない話だが、それで事故が減るなら良いことだ。
 少し、話は飛躍するが、僕は守れもしない校則の多すぎる学校に疑問を感じる。本当に必要な校則のみを設け、それは徹底的に守り、守らせる。守っても守らなくてもよい校則が、遵法意識をぬるいものにしている様な気がする。
 僕のサイトでたびたび話題に出す久川綾さんは、ドライブ大好きな方であり、道交法は徹底的に守り、それを守らないドライバーには本気で怒る。かつて、彼女のファンの一人が交通事故で亡くなり、彼女は弔問に訪れたことがあるそうだ。

旧日記『つらづら草』より転載