大学以降の僕しかご存知ない方には意外かもしれませんが、僕は少なくとも高校2年くらいまでは、航空自衛隊を就職先の選択肢として考えていました。だから、実家に帰れば、けっこう自衛隊関係の雑誌なんかがあったりします。あ、いや、捨てられていなければ。
 まずは、「宇宙戦艦ヤマト」かなぁ(苦笑)。子どもの頃、単純に、「誰かを何かから護る」ってことに、意義を感じて。ただ、その「ヤマト」のガミラス本星での闘いの後で、主人公の古代進が、「ガミラスだって、自分たちが生き残るために闘った」のであることに気づくシーンがあり、子どもながらに、戦争って、「正義と悪」の単純な構図では語れないことくらいはわかってたんだけどね。その上で、日本には憲法9条があり、自衛隊は少なくと侵略はしないから他国から見れば無害では?と甘い考えがあったことも事実。
 また、これこそ子どもの頃、故郷で山火事があり、三日三晩燃え続けたときに、陸上自衛隊が消化作業に駆けつけてくれてね、そんなことからも、自衛隊に対する印象は悪くはなかった。
 そんな軍隊に対する印象をがらりと変える機会は、小学校6年の頃だったけど、フォークランド紛争でしたね。後の湾岸戦争が「ハイテク戦争」とか呼ばれたけど、このフォークランド紛争でも充分、軍需産業の影がけっこうちらついてるんですよね、小学生がわかるくらいに。で、もっと露骨に醜悪だったのが、「政治家が支持率を上げて、次の選挙に勝つために戦争を起こしちゃう」ってことを目の当たりにしたこと。つまるところ、「軍隊って、権力者の私兵なんちゃうん?」って思うようになったのです。
 で、中1〜高1くらいまでは、その日その日をやりくりするのが精一杯で(苦笑)、中高一貫教育校ということもあり、将来に対してはのんびり構えてたけど、高2くらいでそろそろどうしようかと考えはじめたわけで。
 結局、教育への興味が勝り、自衛隊には進まないことになりますが。ちなみに、航空自衛隊、ってのは、漠然と空が好き、ってことと、なんだかんだと旧帝国陸軍、海軍の流れを汲む陸上自衛隊海上自衛隊よりはリベラルっぽい印象を抱いていたという...甘いよなぁ...。
 で、大学に進学して以降は逆に、本気で「誰かを何かから護る」には、軍隊で護ることができると思う方が甘いんじゃないの?と考えるようになり、そもそも戦争しないことが肝要では?と思い、今に至るというわけでございます。そんなこんなで、自衛隊自体に疑問は感じても、自衛隊隊員個人には「ひょっとして、僕もその立場にいたかも?」とか思ってしまうわけなのです。そんな想いも込めて、以下の記事を転載させていただきました。